【毒ギョーザ逮捕】犯行の背景に弱者差別 (1/2ページ)このニュースのトピックス:中国製ギョーザ中毒事件
【北京=伊藤正】中国製ギョーザ中毒事件で、身柄拘束された天洋食品(中国河北省)の元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)は、待遇上の不満が犯行の動機だったと供述したという。呂容疑者が不特定多数の消費者に危害を与える行動に出たのは、工場側への鬱憤(うっぷん)晴らしとみられているが、極端な貧富の格差と弱者への差別という社会問題が背景にある。 中国公安省によると、呂容疑者は2007年10月に殺虫剤のメタミドホスを混入、被害が現れないと、さらに2度混入したといい、“確信犯”的犯行だった。1993年以来、勤務しながら正社員になれず、賃金面での差別に対し、強い不満があったとされる。 中国では出稼ぎ農民(農民工)ら臨時工の待遇は依然劣悪で、近年は労働争議が頻発、しばしば暴動に発展する。08年1月に労働契約法が施行され、臨時工の地位はある程度保障されたが、雇用側に解雇権があるのは変わらず、未組織の臨時工は、雇用側の言いなりになるほかない状況だ。 著名な社会学者の孫立平清華大学教授は、現代中国を「富の略奪」社会と規定、強者と弱者がはっきり分かれ、強者がますます強くなる、バランスを欠いたシステムになったとする。政策上の欠陥というより、社会構造そのものであるため、しばしば弱者側の過激な反社会的行動を招く。 |
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