ここでハイライトについて説明します。
これです。 明部のトーン変化(グラデーション)やシャドウの分布は 1.「光源」 2.「モチーフ」 の2者の関係で決まります。 ここでは「私」の位置は無関係です。視点を変えると、当然モチーフの見え方は変わりますが、モチーフの上のシャドウの形が変わったりはしません。 これに対し、ハイライトは 3.「自分の目の位置」 も関係してきます。上の3要素の関係によってモチーフの表面をずるずる動く不安定な存在です。 ハイライトが見えるのは、光源からの光の入射角と、目に向かう反射角が等しくなるところです。 明部の固有色が光の乱反射であったのに対し、ハイライトは直接反射です。物理的に異なる現象なのです。 ハイライトの性質: 1. 明部に現れる(明暗境界線を越えてシャドウに侵入することはない) 2. 自分が動くとハイライトも動く(明部のトーンやシャドウの分布は変わらない) 3. ツルツルした表面上に現れやすい(ざらついたマットなものモノにはほとんど現れない) 4. 凸型のところに現れやすい(ミラーボールのように光源をとらえやすい) このように「ハイライト」と、前回説明した「明部」の一番明るいa面は 別物 なのですが、両者を同一視しているケースが多いのです。 ハイライトは描写しなくてもモノの立体表現はできます。むしろ最初はハイライトを無視して「明部」のトーン変化を観察することを覚えましょう。 |
|