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古今東西薬の「へえ!」 毒になるも薬になるも用い方  WEDGE Infinity(ウェッジ)

 Lesley_cc 2018-02-25

 拙著『水も過ぎれば毒になる 新・養生訓』(文春文庫)で、益軒の思想の一端を現代科学に照らしてご紹介しているので、ご覧いただければ幸いである。

 さて、本書によると、パラケルススのかの格言は、もともとは古代ローマ皇帝ネロの軍医であるディオスコリデスの『マテリア・メディカ(薬物誌)』(西暦77年)に記された「毒は薬なり」という言葉を引いたらしい。

“毒物にこそ最も薬効がある”

 別名『ギリシャ本草』とも呼ばれる『マテリア・メディカ』は、西洋で最初の本草書といわれる、ギリシャ語で書かれた5巻本である。958種類の薬を動物薬、植物薬、鉱物薬に分類している。

 植物に関しては、植物名、別名、鑑別法、調製法、貯蔵法、薬効、適応、用法、用量についての記載がある。たとえば、アラビア産の薬用植物としては、生姜、胡椒、アロエ、大黄などが掲載されているという。

 スイスのチュービンゲン大学で医学を学び、35歳頃から欧州各地を遍歴して医療や著作活動を行なったパラケルススは、「当時の医学界を支配していたギリシャ医学のヒポクラテスや古代ローマのガレノスなどの伝統医学に疑いの目を向け、実地の観察と治療経験にもとづいて新しい医学を起こそうと」した。そんななか、「砒素や水銀のような毒物にこそ最も薬効があると確信するに至った」と、本書にある。

 おりしも、錬金術師たちのなかから、もっぱら薬を作り出すことを考える人々である医療化学者が現れてきており、パラケルススはそういった医療化学者の祖でもあった。

 「錬金術の目的は金や銀を作ることではなく、医薬をつくることである」とも唱えたそうである。

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