小男の願い 生まれつき背の小さい男がおりました。 神だなに手を合わせては、いつも、「神さま、なにとぞ背が高くなりますように、願いします」と、お祈りをしていました。 ある日のこと、夢の中に神さまが現れて、厳かに言いました。「おまえの望みは、かなえてやる。ご飯を一升、お餅を一升食べ、酒を一樽飲んで、そのまま眠るがよい。目ざめたときは、体中がだるく感じるから、その時、上下へ十分に伸びをせよ。そうすれば、おまえの背は、かならず布団の長さまで伸びておるぞ」 そこで、パッと目が覚めました。「おお、ありがたいお告げだ。早速、そのとおりやってみよう」 男は、お告げのとおり、一升飯を食らい、一升餅を食い、一樽酒を飲むと、ぐでんぐでんに酔って、その場で、そのまま眠ってしまいました。 さて、目が覚めてみますと、お告げのとおり体中がだるい。 そこで、ぐぐっと伸びをして、「さて、これで願いがかなった。ありがたい、ありがたい」と、立ってみると、なんと、前よりも背が、かなり低くなっております。「おや、どうしたことだろう。・・・ああっ! この布団は!」 いま寝ていたところをみると、座布団の上で、寝ていたのでした。 生まれつき:天生。 厳か:庄严,严肃;郑重。 だるい:发倦;发酸;懒倦。 パッと:突然一下子。 お告げ:启示,天启。 座布団:褥垫(子),坐垫。 矮个子男人的请求 有一个男人生来个子矮。 |
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